私のプロジェクトで運用している報告・相談方法を公開します!

私のプロジェクトで運用している報告・相談方法を公開します!

Clock Icon2023.01.30

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データアナリティクス事業本部@札幌の佐藤です。

今回は私のプロジェクトで実際に活用している、各メンバーとの役割や期待値のすり合わせ方法について記載します。
当活用にあたっては株式会社コパイロツトの方に相談させていただいたうえで、ルールとして運用しているものとなります。
ご協力いただきありがとうございます。

お話の前提

私の案件は小規模(メンバー10人未満)のプロジェクトが多いため、小規模案件での前提として記載します。
大規模案件の場合は必ずしも該当しない観点がある可能性がありますので、あらかじめご認識いただければと思います。
今回のお話は、クラスメソッドの主な文章でのコミュニケーション手段がSlackであるため、チャットツールでのコミュニケーションに特化しています。

プロジェクトでよくある問題

私はプロジェクトマネージャという立場上、色々な相談や報告をされることが多いです。
その中でよく遭遇するケースとして下記ようなパターンがあります。

  • 相談・報告の意図がいまいち分からないもの(どうしたいのかよく分からない)
  • 下までスクロールしないと結論が分からないもの(すぐに分からない)

時間のある際は、記載している文章に目を通し、描かれていない行間を想像して回答することが多いですが、 何かしらの問題が発生した場合や、会議が細かく入っている場合など時間がとれない状況においては、それが難しい場合があります。

このような事態に発生してしまう根本的な原因としては、報告者が自分を中心に報告・相談をしようとしている(相手を考えて報告レベルを調整していない)というものなのですが、これを改善するには少し時間が必要です。

質問の仕方という点においては参考となる記事もあり、一読するべきだと思います。

ただ、チャットツールでのコミュニケーションにおいては、上記の内容少し書かなくてはいけない分量が多く、適当であるのか分からないところもあります。
その中でクイックかつ簡潔に状況報告や相談をするために、報告ルールを定めて運用していますので、背景や内容・運用して見えたことを共有したいと思います。

プロジェクトでの報告ルール

原則、下記4行で表現するようにしています。

  • 1行目(分類):依頼or共有or確認or相談
  • 2行目(状況):作業背景と分類。(自分が今どの機能の何をしているのか。困っていることを書く)
  • 3行目(原因):こうしたい。想定とか希望。(恐らくこれでうまくいくはず)
  • 4行目(所要時間):作業工数or討議する時間。(工数はこんだけかかるよ。いいですか?)
  • ※5行目以降は補足事項として、今までの調査内容などを必要に応じ記載

例:

どうしてこの4行になっているのか

上記にも参考記事も同じことをはしていますが、結局のところは要旨をあらかじめ書くということに終始します。
通常会話をする際は時系列に沿って話すために、文章でもその流れを良くも悪くも踏襲してしまいます。

口頭で話す際は、言葉を話す際の話者の雰囲気などの空気によってある程度汲まれるものではありますが、文章はそうではありません。
読み手がいつ読むのかは分かりませんので、汲んでもらえるという状況がなかなか発生しにくいのかなと思います。
ある程度その人の性格や状況を理解している場合であれば、その限りではありませんが、極力人にやさしさに委ねないようにするべきだと思います。

エレベータピッチのように少ない行数で状況を表現するというのは、より読んでもらえるようにするためです。
今までの経験上、メールで上司にメールで状況を報告する際に言われていた言葉として、Outlookは頭の数行が見えるようになっているので、その限られた行数で表現しなさい、でした。

人に物事を伝え意思決定をしてもらう状況においては、より分かりやすく簡潔に伝えなければいけない。一目で見てわかることが重要だと考えます。
資料を作成する際もそうですが、下に行くほど些末になり読まなくてもよいとなるものです。
その簡潔に伝えらえるものが上記4行なのかなと考えています。

どのように書いていくのか

1行目(分類)

文章の中で一番最初に目に留まるものになります。
読み手は、これから自分にどんな話がされるのかを最初に見、頭をその話に切り替えます。
書き手は、自分が何を伝えたいのかという最初のメッセージとなり、改めて結局私は何を言いたいのだ?と振り返るものになります。

ここが曖昧だと、読み手はいったい何の話なんだ?となりますし、書き手も質問っぽいこと書いたけど結果質問じゃなかったみたいな感じになりがちです。

2行目(状況)

主に要旨の部分になります。
今自分たちがどのような作業を行っているのか、事実として必ずしも上司やクライアントがすべて理解・把握しているわけではありません。
指示を与えているのに?と思うところもありますが、上司やクライアントは自分に与えられた別の作業をしているということを忘れてはいけません。

まず自分がどのような作業しているのか、プロジェクト管理ツールでのチケット番号があるのであればそれも添えて、どんな内容であったのかを思い出させる必要があります。

記載は簡潔である必要があります。
ポイントとしては、報告先の人がどの様なレベルの人で、何を知りたがるのかという点を想像するのが肝要です。

3行目(原因)

要旨を書いて大体どのようなことをしているのかを理解してもらったら、次はそれに対して原因と自分はこうしたいという思いを書きます。

自分の思いを書くというは、非常に必要ですが以外に書かれていないことが多いです。
書かれていないとこの文章は結局何を言いたかったのか?という状態になりがちです。
その場合、経験上レスが数回続くことになり、ひとつの物事に対してのかかる時間が増えますし、ちゃんと考えた?と思われてしまいます。
どのような状況においても仮説思考であるべきで、回答がクローズドになるように心がけたほうがよいです。

4行目(所要時間)

主に修正や調査などの工数についての記載となり、3行目を修飾するものになります。
結局のところ、上司はここを気にしていますので、記載してあげるとレスの回数の削減につながります。

5行目以降(補足)

4行目にまで至った理由について、経緯を記載するものになります。
どのような調査や確認を行ったのか手順や、証跡などを共有することがメインとなります。

この報告において読まれない可能性が非常に高いですが、この内容を口頭で説明してといわれた場合には、議論のポイントとして語られることが多いところになります。

1~4行目は全部必ず埋めなくてはいけないのか

1~4行目をすべて埋めないと、質問や相談をしてはいけないのかという話もあるかと思いますが、個人的にはそんなことはないと思っています。

極力この4つの観点は常に頭に入れておいたほうがよいと思います。
ですが、自分のスキルレベルや発生する事象について必ずしも全部書くことができない場合もあります。

最低限、「1行目(分類)」「2行目(状況)」は伝える必要がありますが、3行目以降は分からないのであれば分からないと正直に言うのも必要です。

なぜなら、内容の正確さよりも質問や相談はそれを行うまでのスピードが重要であるためです。
またその自分の考えを述べられないという状況において卑下するなどは行ってはいけません。
怒られるのを恐れ、報告スピードが落ちてしまったり、隠ぺい、考えを述べなくなってしまうからです。

誰に向けての相談・報告なのか

Slackなどのチャットツールでは、メンションでグループに対して連絡をすることができます。
グループ全体への周知が非常に楽な反面、名前指定されていないためその投稿内容に対する興味も減ります。
そのため、あとで私に向けられた話だと思っていなかったという話になりがちです。

誰に相談していいのか分からないというのもあると思いますが、極力メンション先は個人名+グループアドレスで指定をしたほうがいいと思います。
(情報の共有のレベルであれば、グループアドレスでもよいと思います)

また、分からない場合は誰に送っていいか分からないですがと添えておくのがよいと思います。

このルールを導入しての感想

Slackの絵文字と相まってぱっと見でどの様な話をしているのが見えるようになったというのは大きいと思います。
また、状況がクイックに伝わるようになっているので問答の回数は減っているように思えます。
また、他のチームにも輸入され始めているところからも手っ取り早く始めやすいというのはあるかなと思います。

※このような形で、チャンネルの中でパッと相談・共有などが見えるようになる。

(tips)報告時に別ページ参照のみですますべきか

別資料先に情報があり、その内容をレビューまたは読んでほしい場合、単純にリンク先を提示し文章で読んでほしい旨記載するかと思います。
個人的にはこの方法の場合、読んでもらえない・読んでもらうまでリードタイムが長いと考えています。

理由はそのページにアクセスするまでのホップ数です。
人間はどんなに有益な情報・やりたいことがあるとはいえ、そこに到達するまでの手順が多いとそこまでたとりつきません。
文章においても同じかなと思います。

そのため、リンク先に同じことが書いてあったとしても要旨を記載する。
5行目以降の些末な情報はリンク先に書いてあるため、そちらに誘導するようにするのが、一目で見て伝わるという点ではよいと思います。

例)

これではリンク先に遷移しないと要旨が分からない。
レビュー者がこのメッセージを読む→リンク先にアクセスする→その先のメッセージを読むという過程が必要となります。
(リンク先に遷移してもらうのはやってほしいことでしょうか?)

リンク先の情報をある程度整理して記載するので、このメッセージのみで完結できます。
補足情報は記載せず、必要であれば遷移して読んでもらう形にするのがよいと思います。

(tips)(Slack限定)報告・相談はスレの外に出したほうがよい

スレッドで討議している流れで誰かに相談したい場合があると思いますが、個人的にはスレッドの「以下にも投稿する」にチェックを入れたほうがよいと考えています。
スレッドの中にメンションをしてしまうと、その場ですぐに回答を行わないと埋もれてしまうため、視認性向上のためにもスレッドの外に見えるようにしておくのがよいと考えています。

最後に

ここまで偉そうに書いていますが私もエンジニアであったとき、全然できない要素でした。
ですがその伝わらないというものはある程度決まったルールがあるように思えます。
もしこの記事が報告や相談のよりよいやり方としてお役に立てれば幸いです。

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